乗り物酔いは思い込みから。どうもこんにちは、ライターのNakanii(@writer_DN)です。
普通に乗り物に乗っているぶんには気持ち悪くならない私ですが、時間を持て余して「気持ち悪いかも…」と考えようものならすぐに酔うのが私です。移動時は人と話すなり歌を口ずさむなり、キレイな景色を観るなりしなくてはなりませんね。
さて、今回はそんな私が北海道で体験してきた「ゴジラ岩観光」さんの知床クルーズについてご紹介します。
「クルーズ」と聞くとどうしても贅沢な観光で「お高いんでしょ?」と思われがちですが、まぁ確かに安くはないです笑。無料で楽しめることも多い北海道の観光スポットのなかでは高い方かもしれません…。
しかしそんなお金の話題を差し引いても、「最高!また行きたい!」と思える魅力が、この知床クルーズにあると私は思います。
- 知床クルーズの楽しさを知りたい方、北海道の自然を堪能したい方
- 船から安全に熊や鹿などの動物がみたい方
- どこのクルーズ会社やコースを選べば良いか悩んでいる方
- どんな準備をすれば良いのか気になっている方
景色も動物も楽しめる!知床クルーズ
知床クルーズは名前の通り船に乗り、知床の自然を楽しむものです。
知床半島の主に西側を進むウトロ方面のクルーズ、主に東側を進む羅臼方面のクルーズとがありますが、今回私が紹介するのはウトロ方面の知床クルーズです。
そしてこの知床クルーズにも船を出している会社がいくつかあり、通るコースにもパターンがあります。コースによって知床半島を北上していく長さが変わり、見られる景色や動物にも違いがあります。
ゴジラ岩観光でいく知床半島クルージング
クルーズ会社はいくつかあるとお話しましたが、おおよそではありますがどこの会社にもコースが3つあります。金額にも大きな違いはみられません。
コース間の違いは硫黄山~ルシャ~知床岬の順番でどこまで遠くにいくかによって生じます。それぞれで所要時間や料金、見られるスポットが違うため、皆さんの見たいものや旅行の日程とご相談ください。
私が利用したのは「ゴジラ岩観光(知床ウトロ側)」さんです。知床ウトロ側と羅臼側とがあるので、ご注意くださいね~。
ゴジラ岩観光の料金設定
下記は「ゴジラ岩観光」さんの料金設定です。
- 硫黄山コース…約1時間、大人3,300円、小学生1,650円 → キレイな景色と珍しい鳥ケイマフリがみられるよ!
- ルシャコース…約2時間、大人5,500円、小学生2,750円 → ヒグマにほぼ出会えるよ!キレイな景色もいっぱいだよ!
- 知床岬コース…約3時間、大人8,000円、小学生4,000円 → 知床クルーズとことん楽しめるよ!
※料金・コースの詳細は公式サイトでチェック
ゴジラ岩観光はヒグマとの目撃率もシェア、これがめちゃ助かる!
複数ある知床のクルーズ会社のなかから私がゴジラ岩観光さんを選んだのは、「ヒグマの目撃率シェアしていたから」です。
知床クルーズの何に魅力を感じるかは人それぞれですが、やはり「熊がみたい!」ということを第一に考える人は多いです。その点でゴジラ岩観光さんはコース別で「何年何月何日、何時の便の、どこのコースのどこの場所で、何頭目撃したのか」という形でとても詳細に記録されています。しかもこのデータは公式サイトのこのページからみられる!
私も知床クルーズを体験する理由のひとつに「熊がみたい!」というのがありましたから、ゴジラ岩観光さんのこのデータはとても参考になりました。自身の日程とコースごとの目撃率を照らし合わせてみて、「これなら大丈夫そう!」と安心して利用を決めることができましたよ~。
ガイドさんの説明も丁寧!知床のことがよくわかる
ゴジラ岩観光さんのクルーズでは、一緒に乗船しているガイドさんが随時わかりやすく説明を行ってくれます。あらわれる滝や奇岩の伝説、動物の種類や生態。船に乗っているだけで知床のことがよくわかります。
前述のヒグマについても船の上から積極的に探してくれ、参加者にその存在や位置、大きさなどを教えてくれます。
それでは次の項から「実際に行ってみた」ということでクルーズの様子をご紹介していきます!
知床クルーズ実際に行ってみた
まずは事務所へ集合!予約内容の確認&乗船の準備
まずはゴジラ岩観光さんの事務所に集合です!ここで予約内容の確認と、乗船までの準備を行います。
※ゴジラ岩観光さんのすぐ隣もクルーズ会社。お間違えのないように~。
私が申し込んだのは「ルシャコース」で15時30分発の便です。2018年6月初旬の平日、乗船当日の朝に電話予約しました。※インターネットからの予約が可能。支払いはVISAやJCBなどのクレジットカードのほか、SuicaやICOCAにアップルペイも使えるそうですよ。
15時頃に車で事務所へ向かうと、数件隣の駐車場に案内していただきました。事務所にもすでにたくさんの参加者が。日本人だけでなく外国人の方も多いようです、さすが知床。皆さん持ち物の準備をされていたので、私も受付を済ませてから準備物の確認をします。
知床クルーズを楽しむための準備をCHECK!
- 暖かい服装…船上は結構肌寒い。季節にもよるけど長袖長ズボンの着用が吉。
- 双眼鏡…遠くにいる動物や景色もよく見えるよ!ゴジラ岩観光さんでレンタルも可能(有料)
- 酔いどめ…飲んでおくと安心。日によってはやっぱり揺れるらしい。
- カメラ…もちろんカメラも持ち込めるよ!海に落とさないようにだけ注意。
- リュック…両手が空いていた方がいいよ!船は揺れるし、足元も安定しないからね!
いざ乗船!今回はカムイワッカ88号
参加者の集合と準備が整ったら船へ向かいます。
港近くにはゴジラ岩という奇岩が。ゴジラ岩観光の名前もここからきているようです。
さて、今回乗り込むのはカムイワッカ88号!夏期クルーズの定員は82名、航海速度は20ノット(約37km)、トイレ完備。
※こちらは下船時に撮影。2階建てになっています。
6月の知床は暑すぎず寒すぎず、心地よい気温。天気もよく波も穏やか、良いクルーズになりそうです。
2階建てならやっぱり遠くがみえる上に乗り込みますよね。でも、風が強くなったり気分が悪くなったりしたら空いている1階部分の利用がおすすめです。
船内は皆さんのワクワクとした空気感でいっぱい。救命胴衣も着用完了、それでは出港です!
あっという間に見えてきた
世界遺産知床の境界線、幌別橋
船が知床の軽やかに海を走ります。ガイドさんの説明もスタート。
するとまず見えてきたのは「幌別橋」。
おじさんの頭にピントが合っているのでボケちゃってますが笑、この橋が知床の世界遺産エリアと町との境界線とのこと。この橋を渡っていくと、カムイワッカの滝やプレペの滝、知床五湖や羅臼へと続く知床横断道路に行くことができます。
このクルーズでは船の上からカムイワッカとフレペの滝のほか、さまざまな滝や奇岩、動物が見えます。気持ちの良い潮風にあたりながら進んでいきましょう。
どんどん出てくる崖・滝・奇岩・知床連山、そしてカモメ!
船は知床半島の崖に沿うように進んでいきます。すごい迫力。
そしてすぐに見えてきたのが…
別名”乙女の涙”と呼ばれるフレペの滝です!水源は地下水で、優しく流れる姿が美しい滝。
※実はこの滝を陸から見られる「フレペの滝遊歩道に行ってみた」を翌日にやっています。よろしければこちらもご覧ください~。
船はなお進み続けます。
次に出てきたのは…
カモメさんたちです。崖のちょっとしたスペースに巣をつくっています。口を開けながらこちらを睨みつけている様子をみて、ガイドさん「怒ってこちらを警戒しているようですねー」と優しい解説。
その後も…
赤いソックスがおしゃれな鳥!絶滅危惧種ケイマフリも見られます
知床クルーズではこんな鳥を見ることもできます。
めっちゃ遠いですけど…。赤いソックスをはいたような足がおしゃれな鳥、「ケイマフリ」です。
ケイマフリはアイヌ語で「足が赤い」を意味する「ケマフレ」に由来する絶滅危惧種。生息地がかなり限られており、ここ知床もそうした貴重な場所のひとつ。この鳥を見るためだけに、知床クルーズに参加するバードウォッチャーもいるのだとか。
しかもこの時はケイマフリの群れと遭遇。プカプカ浮かんでいるときはわからないですけど、飛んだときに見える足はめちゃくちゃキレイ。黒い身体、灰色の岩によく映える。
滝、岩、鳥、山。目にするものすべてが美しい知床クルーズ。ドキドキが止まらない。
ついに出会えた熊!知床クルーズの興奮は最高潮に
北海道一周旅行中にヒグマを見ることをひとつの目標にしていた私(もちろん安全な状態で)。その夢はすでに数日前の旭山動物園で叶えられていたのですが、やっぱり自然のヒグマが見たかった。
船上でもガイドさんたちが必死に双眼鏡を覗き込み捜索を行います。参加者もそれにならう形で各々の双眼鏡を覗く…。
船はなおも進みます。するとやがて…。
「あっ、クマですね。皆さんあそこです。見えますかー?」とガイドさん。多分見慣れているでしょうからね笑。ただ、船内はざわつきます。どこだどこだと必死に目を凝らす参加者。
ん?あ、あれは…
おお…!
熊だ!ヒグマだ!クマケツだ!!
熊がお尻を見せながら森に帰っていく!すごい…。知床って本当に熊いるんだな…。知床クルーズ参加して良かった。北海道一周しにきて良かった…。
冷めやらぬ興奮!続くラッキー、ルシャ湾にもアイツが…?
船内は熊との遭遇で高揚感いっぱい。ガイドさんも無事熊を見せられてホッと一息ついている印象を受けました。やっぱりこの知床クルーズの醍醐味みたいなところありますからね。
その後、熊との遭遇率が最も高く、本クルーズのコース名にもなっているこの「ルシャ湾」付近でも…。
いた…!
遠くて見えにくいけどアイツだ…。ガイドさんによれば「ずっと下を向いていますから、何か食べているようですね。しかもかなり大きいですよー。2mは十分ありそうです」とのこと。
船を近づけると驚いて逃げてしまうこともあるため、遠くから観察する一行。大きな石や流木が邪魔をして何を食べているかはわかりませんでしたが、熊はずっと下を向いてむしゃむしゃ。
1頭見られただけでも満足していましたが、このクルーズでは2頭も見られました。
収穫いっぱいの知床クルーズ!大満足で帰港
帰りは行きのときよりも沖の方を走ります。
すれ違う別の船。その背景に知床連山。なにこのロケーション、最高過ぎる。
時刻は17時30分。再び見えてきた幌別橋。ほぼ予定通り2時間のクルーズが終わりました。心配していた船酔いもなし。最後まで気持ちの良い航行でした。
こちらで紹介した他にも鹿やイルカ、時期によってあらわれる名前のない滝、変わった見た目の岩盤など、知床クルーズではたくさんの発見と感動がありました。今回は見ることができませんでしたが、シャチやクジラにアザラシ、オジロワシなんかも見られるのだそう。
今までの観光で1番満足した体験でした。知床は北海道観光のなかでもかなり遠いから(札幌のほぼ真逆にある)、行くのは確かに大変。それでも行く価値は絶対にある。これが「世界遺産か」というのをまざまざと見せつけられた気がします。
何度でも楽しめるのが自然の良さだね。
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